エンジンブレーキを使うタイミングについて

エンジンブレーキとは

バイクの走行には少し慣れてきたけれど、ブレーキの上手なかけ方が今ひとつ体得できていないというライダーは意外と多いものです。
バイクにはフロントブレーキ(前輪ブレーキ)、リアブレーキ(後輪ブレーキ)、そしてエンジンブレーキの3つがあります。

この3つのブレーキのうち、最も制動力があるのはフロントブレーキですが、急に強くフロントブレーキをかけてしまうと前輪がブロックして転倒してしまうことがあります。
リアブレーキはフロントブレーキよりも制動力が穏やかとはいえ、かけかたによっては後輪がブロックしてしまい、転倒の原因になることがあります。
エンジンブレーキは使用しても転倒の危険が少ないのが特徴です。
ただし、制動力の面ではフロントブレーキやリアブレーキよりもはるかに弱いことを覚えておきましょう。

エンジンブレーキを使うタイミング

エンジンブレーキというのは、フロントブレーキやリアブレーキのように車輪の動きを制御するブレーキとは違い、エンジンに供給されている燃料を減らしてバイクを減速させる仕組みになっています。
エンジンに供給されるガソリンが少なくなることによってエンジンの回転数が減少するので、タイヤの駆動力も下がり、緩やかに減速をすることができます。
多用してしまうと、スプロケットやドライブチェーンに負荷がかかってしまいます。
この2つのパーツが摩耗すると部品交換の必要性が出てきますので、注意しましょう。

エンジンブレーキはバイクを減速させることはできますが、走行を急にストップすることはできません。
ブレーキを上手にかけるには、エンジンブレーキとフロントブレーキ、そしてリアブレーキの3つを同時にかけることです。
また、後続車がある場合には2回、3回とブレーキをかけて知らせることも忘れてはいけません。

エンジンブレーキをかけると、バイクを安全に停車できるスピードまで減速させることができます。
例えば長い下り坂を走っていて、前方にカーブがあるような場合にはエンジンブレーキをかけることによって安全にカーブを曲がることができます。
遠くに見える信号が赤に変わりそうなときも、エンジンブレーキをかければ無理なく停車することができます。
エンジンブレーキをかけてもスピードが思ったより落ちないようであれば、フロントブレーキとリアブレーキも使いましょう。

ブレーキを上手にかけられるかどうかは安全走行の上で大変重要なポイントです。
ブレーキの操作に自信がないという人は、講習会に行ってコツを教えてもらうのもおすすめです。
日本二輪車普及安全協会が開催している「グッドライダーミーティング(安全運転講習)」では、安定したブレーキングのテクニックを学ぶことができます。